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あんしんのもり

障害者手帳

サポート活用

障害者手帳とは?

障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳を総称した一般的な呼称で、障害があることをわかってもらうことで支援を受けやすくするためのものです。

身分証ではなく、所有しているからといって見せないといけない場面はなく、学校や職場で提示を求められることもありません。言い換えると、見せたくなければ見せる必要はなく、手帳を持っていることを第三者に知られることもありません。一方、持っていることで受けやすくなる支援やサービスがたくさんありますので、取得できるのであれば持っておいた方が便利でお得です。

療育手帳と等級

療育手帳は、児童相談所等で知的障害があると判定された人に交付される手帳です。

国は療育手帳と呼んでいますが、実際に使われている名称は自治体によって異なり、例えば東京都と横浜市では「愛の手帳」、名古屋市では「愛護手帳」と呼ばれています。名称だけでなく、等級や判定基準も自治体により異なります。

国は知的障害の程度を「重度」と「それ以外」の二つに区分しており、重度を「知能指数が概ね35以下であって、次のいずれかに該当する者」としています。

  • 食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする
  • 異食、興奮などの問題行動を有する

自治体によっては療育手帳の等級を2つの区分ではなくさらに細分化しているところがあります。例えば東京都の等級は1度から4度の4段階、横浜市は同じ4段階ですがA1,A2,B1,B2という呼び方、さいたま市はマルA,A,B,Cの4段階で、いずれも最初の2つが重度に分類されます。

等級によって受けられるサービスや減免・手当などが変わり、重度の方が受けられる支援サービスや減免・手当等が大きくなります。

なお、知的障害を伴わない発達障害は精神障害者保健福祉手帳になります。

手帳を持つメリット

障害福祉サービスの受給可否や障害基礎年金は、障害手帳とは別の基準で判断されるため障害手帳を持っていなくても受けることができます。

障害者所得控除や公共料金等の減免などは、障害者手帳の等級で決められることが多いのですが、知的障害については療育手帳の基準が全国的に統一されていないこともあり手帳保有がマストではなく、知的障害と判定された証明書があればいい場合がほとんどです。

とは言え、公園・美術館・娯楽施設・公共駐車場・公共交通機関などで障害者割引がある場合に、障害手帳以外の証明書を受け付けてもらえるかはその施設や担当者次第なので手帳を持っておくのが一番スムーズでしょう。

公的な補助・優遇等については手帳の等級を目安とされることが多いため、手帳を持っていると受けられる補助・優遇等が明確になります。

また、障害者枠雇用は、基本的に障害者手帳をもっていることが条件となります。

障害のある人への経済的サポート

手当や障害基礎年金以外にも障害のある人は様々な経済的サポートを受けることができ、障害者手帳を持っているとスムーズにサポートを受けることができます。

代表的なサポート例
  • 鉄道・バス・高速道路料金割引
  • ガソリン代助成
  • タクシー料金割引・助成
  • 公共駐車場料金割引
  • 自動車税減免
  • 重度障害者医療費助成
  • 所得税・住民税の障害者控除
  • 水道料金減免
  • 紙おむつやその他日常生活用具の助成
  • 身体機能を補完・代替する補装具の助成
  • 視力矯正用メガネやその他訓練・介助器具の助成
  • 遊園地、公園、美術館、映画館などの割引

障害のある本人だけでなく、障害のある子どもを介助/扶養している親等が受けることができるサポートもたくさんあります。例えば障害のある人を介助する際の鉄道・バス・高速道路料金割引や遊園地・映画館などの料金割引、障害のある人のために使う車の自動車税減免、障害のある人と生計と一にしている場合の所得税・住民税の障害者控除などです。

サポートの有無や内容、障害の基準は自治体や提供事業者により異なりますので、お住まいの市町村や利用する事業者に確認してください。

遊園地、公園、美術館、映画館などでは手帳を見せることで割引を受けられるところが多いので、利用する際には事前にチェックしましょう。

障害等級別の補助・優遇等の例

障害福祉サービスや手当、税金・公共料金の減免などの対象は障害等級別に表されることが一般的です。手帳がマストではない知的障害についても便宜上手帳の等級で表記されているので、自分が対象かどうか迷わずにすむことも手帳のメリットです。

知的障害のある人が障害等級別に受けられる公的な補助・優遇等を横浜市を例に見てみましょう。自治体によって補助・優遇等は違いますのでお住まいの役所でチェックしてみてください。

横浜市「障害程度別該当事業一覧表(△は一部該当)」あくまでも目安
「2023障害福祉のあんない」より知的障害が対象となるものを抜粋し再構成

手帳をもつデメリット

障害者手帳をもつことに心理的抵抗がある人がいるかもしれませんが、それ以外のデメリットはないでしょう。

療育手帳の取得方法

市町村の窓口で申請します。

18歳未満であれば児童相談所で、18歳以上であれば知的障害者更生相談所などで判定を受けるように言われますので指示に従いましょう。

判定により障害等級が決まります。

手帳には原則として有効期限があり、数年毎に更新手続きが必要です。

いつ手帳を取得すればいい?

20歳を過ぎてから軽度知的障害に気づいて手帳を取るケースがありますが、知的障害は基本的に生まれつきの場合が多いので、20歳以降に取得するのは手続き面で面倒になる可能性があります。

知的障害に気づいているなら早めに取得しておくことで、手帳のメリットを早くから享受することができます。また、高校卒業後に障害者雇用で就職する場合には障害者手帳が必要となります。