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あんしんのもり

親なきあとの暮らし

移行用

親なきあとに向けて、お金以外に何を準備すればいいでしょうか?

親なきあとの暮らしを想像しながら、何を準備していけばいいか考えて行きましょう。

どこに住む?

すでに一人暮らしやグループホーム住まいをされている場合は、そのままの暮らしを継続されることが多いと思います。一方、まだお子さんが小さい場合や、成人後も同居されている場合は、将来の住居問題はとても大きな悩みであり不安でもあるでしょう。

忘れてはいけないのはお子さんの意思だと思っています。いくら親がいろいろ考えても結局はお子さん自身の問題なので、本人の意思に反することを無理強いするのは難しいでしょう。

お子さんと相談しながらゆっくり考えていけばいいのですが、そのためには、お子さんが将来住む場所を決められるだけの経験の積み重ねが必要となってくるでしょう。誰もが、色々な経験の積み重ねで物事を決定できるようになっているはずです。住居を決めるために特別必要な経験というものはないでしょうが、次のような宿泊の経験やお試しで親から離れて暮らしてみることは有意義かもしれません。

ショートステイ(短期入所)

障害者支援施設やグループホーム等で1泊~数日間宿泊することができます。子どものうちから利用できる施設もあります。

親から離れて宿泊する様子を知ることができ、課題が見えてくるかもしれません。

家以外での宿泊及び親以外の人に面倒みてもらうことに慣れておくことが期待できます。

親に万一のことが急におきた場合、お子さんの住居が見つかるまで空きがある施設のショートステイを転々とする場合もあり得ます。そのような場合でも慣れていると多少スムーズかもしれません。

グループホームのお試し利用

グループホームを希望していることが前提ですが、30日以内の体験利用が可能です。

親が思っているよりお子さんの自立度は高いことが多いので、体験利用してみることで親子ともに自信がつくかもしれません。

グループホーム暮らしや一人暮らしを実際にやってみる

親あるあいだであれば、グループホーム暮らしや一人暮らしを実際にやってみて、向いていなければ親との同居に戻すことが可能です。向いてないことが分かった場合は課題がはっきりし、親あるあいだにお子さんと一緒に対策を考えていくことができるかもしれません。

誰にサポートしてもらう?

親あるあいだは多くのサポートを親がやっていると思います。親なきあとは、親がやっていたことを誰か一人が引き継ぐ訳にはいかないので、日々の暮らしのサポートと、財産管理などのサポートの二つにわけてそれぞれをどうするか考えて行く必要があるでしょう。。

日々の暮らしのサポート

朝起きてから夜寝るまで、そしてまた朝起きるまでの暮らしのサポートは誰がしてくれるのでしょう?

お子さんの一日を想像してみてください。

起床⇒着替え⇒朝食⇒歯磨き⇒日中の活動場所への移動⇒日中の活動(含む昼食)⇒帰宅のための移動⇒夕食⇒入浴、趣味の時間⇒歯磨き⇒就寝。加えて、トイレに行く、薬を飲む、買い物にいく、日々のお金を支払う、等々です。さらに、週末の過ごし、医者に行く、遊びで外出・旅行に行く、などなどが日々の暮らしです。

これらのことは、今は親がサポートしている部分があったとしても、障害福祉サービスを組み合わせることで親がいなくてもやっていけるはずです。たくさんの人が、障害福祉サービスを使いながら親なきあとも日々の暮らしを問題なく送られていることからそれがわかります。信頼できる計画相談支援を利用していれば、親なきあとにどのようなサービスを組み立てるべきか理解してくれているでしょうから安心です。

大事なのは、親が直接サポートをずっと続けるのではなく、信頼できる”支援の輪”を作って徐々にバトンタッチしていくことと考えています。

財産管理などのサポート

日々の小遣いの管理くらいであればグループホームや日常生活自立支援事業がサポートしてくれるでしょう。しかしながら、毎月のグループホーム料や家賃の支払い、大きなお金のやり取りや預貯金等の管理などは障害福祉サービスでは扱えないので成年後見人等が必要になる場合が多いでしょう。

金銭管理だけでなく、たとえば日中活動事業所やグループホームを変える場合の契約、入院時の医療契約、遺産分割協議、所有不動産の処分など日々の暮らし以外のことを本人ができない場合にも成年後見人等が必要となるでしょう。

子どもに家やマンション等を残す場合、その維持管理を子ども本人が行えそうにないのであればサポートしてくれる人を考えておく必要があります。少し細かいですが、町内会やマンション自治会の役員当番をどうするか、自治会決議がある場合にどうするかなどの問題もあります。

全てのことを成年後見人等がやってくれるとは限らないので、子ども一人ではできそうにないことを整理して、対策を考えておいた方がいいでしょう。

きょうだいによるサポート

きょうだいに負担をかけたくないという思いから、障害のある子のお金や将来のことについて、きょうだい児に話をしていない親御さんは多いのではないでしょうか?しかしながら親なきあとは、相続の手続きをはじめ、一番身近な親族として障害のある子に関する手続き等をきょうだい児がやらないといけなくなりがちです。その時に、親から何も知らされていないと露頭に迷いかねません。

親なきあとのことをきょうだい児と話すことに抵抗があるかもしれませんが、障害のある子に関する情報や、遺産配分の考え方、何をして欲しいか・しなくていいか、などについてオープンに話し合っておけると理想的だと思います。

まとめ

  • ショートステイやグループホームの体験利用などを使って、一時的に親から離れて宿泊してみることで、将来の住処を考えるヒントが得られるかもしれません。
  • 親が子どもの面倒を見続けるより、信頼できる”支援の輪”を作って日々の暮らしのサポートをバトンタッチできると安心です。
  • 親なきあとのことをきょうだい児とオープンに話しておくと安心です。